Introduction

イントロダクション

神奈川県初出店となる
三井ガーデンホテルズ
目指したのは、
地域に貢献し、地域に愛されるホテル。

2022年、当社は三井ガーデンホテルズの神奈川県初出店となる、「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」開業プロジェクトをスタート。「YOKOHAMA SKY CRUISING」をコンセプトに、スカイプールやレストランバー、フィットネスジムなどを取り揃え、観光からビジネス等の宿泊ニーズに幅広く対応する当ホテルは、計画段階から社内でも注目度の高い物件であった。その期待にいかに応え、ホテルの開業・運営を成功に導いていくか。そこにプロジェクトメンバーの手腕が問われた。

Project Members

プロジェクト担当者

齋藤 浩二

総支配人

齋藤 浩二

2016年入社

田中 茂幸

フロント

田中 茂幸

2014年入社

昼田 紗岐

フロント

昼田 紗岐

2015年入社

ホテルの開業に携わりたい。
それぞれの想いを乗せて、プロジェクトが始動。

2022年4月、横浜開業準備室への辞令を受けたとき、ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京の総支配人を務めていた齋藤は期待に胸踊らせた。「入社以来、開業に携わってみたいと常に感じていましたし、しかも、横浜に非常に高いスペックのホテルができるという噂も聞いていたため、そこに着任できることにワクワクしました」
着任後、齋藤はこれまでの三井ガーデンホテルとの差異を把握した上で、当ホテルに必要なお客さまサービスや収支の計画立案を行い、オペレーション構築、リネン会社や清掃会社の選定、開業に向けたプロモーションなどを着々と進めていった。「開業は初めての経験だったため、当初はどこから情報を得て、何を準備すればいいのかわからず手探り状態。そんな中心強かったのは、社内の開業経験のある方々にアドバイスをもらえたことです。おかげでポイントを押さえることができ、そこからプロジェクトは軌道に乗っていきました」
その後、9月に田中がミレニアム 三井ガーデンホテル 東京から、10月には昼田がホテル ザ セレスティン東京芝から異動し、本プロジェクトに参加。奇しくも田中と昼田は現在、横浜在住。地元にできるホテルであるだけに思い入れは強い。「自宅からも近く、完成予想パースを見たとき、直感的に今までの三井ガーデンホテルとは異なる雰囲気と横浜らしさを感じ、すごく楽しみになりました」と田中は語る。一方、昼田は、就職活動の段階からホテルの開業に携わってみたいという夢を抱き、そのためにフロントの経験も積んできたのだという。「念願だったのでうれしすぎて!その上、自分が住んでいる横浜で開業に携われるなんて最高だなと思いました」
そして10月に、当ホテルの開業日が2023年5月16日に決定し、プロジェクトはいよいよ本格的に動き出した。

人財不足、タイトなスケジュール…。
力を合わせて困難な壁を乗り越えていく。

2022年当時、コロナ禍は収束に向かいつつあり、世間的には復調ムードが見えてきていた。その一方で、ホテル業界全体での人財不足が深刻であり、齋藤もそこに頭を悩ませていた。「お客さまの期待に応えるサービスを提供するためには良い人財の確保が不可欠です。しかし、やはり想定していた通りには人財が確保出来ず、様々なパターンを想定しながら進めていきました。総務人事部のサポートもあり、無事に開業までに想定の人員を集めることができました。」
この間、教育研修計画・実施を任された昼田は、変化する人員計画に苦慮しながら、都度計画を修正しつつ、新たに入社してくるアルバイトの方への教育研修を行っていた。「3月までに入社した方に関しては、当ホテルのコンセプト等の説明を1日かけてレクチャーし、それ以降は既存の三井ガーデンホテルでの現場研修へ送り出し、開業前に準備室へ戻ってきてもらい本社の研修チームのサポートを受けながら現地トレーニングを行うスケジュールを立てました」
一方、ホテル開業に伴う備品・家具搬入、客室の内装工事の管理を任された田中は、4月初旬までの約1か月間で搬入完了という非常にタイトなスケジュールの中、錯綜する事業者との調整、各種手続きなどに奔走していた。「当ホテルは大規模複合ビル内にあるので、エレベータの使用の制限があり、また搬入車の荷捌きスペースも限られていました。その上、複数社から同時に搬入希望が入ったりすることも。そのため搬入に伴う経路や日程の確認等を綿密に行い、さらに効率的に搬入を進めるべく、事前に各事業者に現地調査を行っていただくなど知恵を絞りました。その結果として、期限内に無事搬入を終えることができました。事前に本社事業推進部の皆さまが適切なアドバイスをくださったことで、道筋が見え安心して対応が出来たことが大きな要素です。」

他にはない当ホテルの魅力を
知っていただくためのプロモーションを加速。

他の三井ガーデンホテルにはない、当ホテルの最も大きな特徴は、さまざまな角度からみなとみらいの景色を堪能できるスカイプールを備えていること。その認識のもと、齋藤はスカイプールを利用したホテルプロモーションに注力した。「スカイプールは映えるビジュアルでインパクト大。開業に向けて、雑誌、webニュース、SNSなどへの広告出稿をどんどん増やしていきました」
プロモーション効果は大きく、その結果として開業前から多くの方々に認知されることとなり、それは11月からスタートした予約の好調ぶりにもつながっていった。
また、神奈川県初出店となる三井ガーデンホテルとして、地域企業との連携、地域への還元を推進し、地元に認められるホテルにしていくこともプロジェクトの使命の一つ。その意を受け、昼田は近隣施設や企業への挨拶回りを行った。「地域に根付くホテルづくりに向けて、当ホテルを知っていただく機会であり、自分にとっても貴重な経験となりました。なかでも印象に残っているのは徒歩5分の場所にある『みなとみらい博物館』です。館内を見学したのは初めてでしたが、非常に興味深く、お客さまにおすすめしたいスポットだと思いました」

これまでの努力が試される"試泊検査会"。
そこで得た高評価が、開業に向けてのエンジンに。

プロジェクトメンバーたちが粛々と開業準備を進めていく中、開業前の最も大きな山場となる「試泊検査会」の日を迎えたのは、2023年4月中旬のこと。田中は当時の思いを語る。「開業前の試泊検査会までにホテルとして営業できるよう仕上げるため、客室準備、オペレーション構築、人財確保など必要な準備を多岐にわたって同時にこなす必要がありました。その中でメンバーそれぞれが最善の努力を重ねていき、最高の形で試泊検査会を迎えることができたと自負しています」
その努力は、“高い評価”という結果を生む。昼田は言う。「試泊検査会では、私が教育研修を担当したスタッフたちが初めてお客さまへ接客を行う場面がありました。このとき、過去の開業にないくらいスタッフの接客に対してお褒めの言葉をいただき、一つの達成感を感じるとともに、開業に向けてさらに一段ギアを上げていこうと肝に銘じました」
齋藤はこう振り返る。「客室清掃会社やリネン会社などの協力会社との連携、現場のオペレーションも含めて、今まで準備してきたことが初めて試される機会でしたが、よくできたと自負しています。それはメンバーの努力や、協力会社との綿密なコミュニケーションがあっての結果です。それが試泊いただいた方々からの評価につながり、開業プロジェクトメンバーを誇りに思いましたし、うれしかったですね」

最高の開業日を迎える中、
実感した
お客さまからの期待度の高さ

それまで人員の充足に危機感を感じていた中、既存社員の異動や、新規中途採用の大規模な入社が実施されたのは、開業が1か月前に迫る4月。それはすなわち、1か月間という短期間に、三井ガーデンホテルズにふさわしいスタッフへと育成しなければならないということだった。そこで教育研修担当の昼田は一計を案じた。「4月入社の方々に関しては、開業日も迫っているため、既存の三井ガーデンホテルの現場研修を経験することができません。そんな中、経験値の異なるスタッフをできる限り同じレベルまで育成するには、当たり前のことをやっていては難しい。そう考え、いくつかのグループに分けて、ロールプレイングをメインに研修を実施。その内容も型にはまったチェックイン・チェックアウトだけでなく、お客さまから聞かれやすい質問などにも対応できるよう、野球の千本ノックのイメージでとにかく数をこなすようロールプレイングを行いました」
そうして2023年5月16日、「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」は開業を迎えた。齋藤は語る。「過去と比較しても同等、もしくはそれ以上の好調なスタートを切り、開業当日の客室稼働率も非常に高く、まさにうれしい悲鳴。改めて注目度が高いことを認識しましたし、何よりも横浜の地域の方々が開業を心待ちにしてくれていたことを肌で感じました。そして、ここまで三井不動産はじめ、当社各ホテルや本社の皆様、協力会社様など本当に多くの方々に支えられて開業を迎えられたことに心から感謝をしました。」
今まで頑張ってきたことがようやくお客さまに還元されるのだという期待感を胸に開業に望んだ田中もまた手応えを感じていた。「本当に楽しみに来ました、というお客さまの生の声を聞き、期待値が高いんだな、これから頑張っていかなければと改めて身を引き締めました」
一方、昼田は、開業当日も普段と変わらない平常心で臨んだという。「緊張しているスタッフのメンタルケアをしたり、適宜、業務のフォローに入ったりと、あまりにも大変なことが多くて、怒涛の時間を経ていつの間にか1日が終わっていました」

サービスをさらにレベルアップし、
地元に愛されるホテルへと進化し続ける。

開業以来、「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」は、高い客室稼働率を維持。8月の夏休み期間にはスタッフ全員の想像を超える数のお客さまを迎え、それに対応すべくオペレーションの立て直しに苦労するほどだった。「一時期辛い時期がありましたが、みんなで工夫しながら少しずつ修正して乗り切ったおかげで、その後どんな事態になっても対応できるという自信がつきました」と齋藤が言えば、日勤インチャージを務める田中は、「夏休み期間は本当に目まぐるしかったですね。そんな中でもスタッフの個々のレベルが本当に高く、修正したオペレーションもすんなり適用されて……。実際にお客さまから多くのお褒めの言葉をいただいていて、うれしく思っています」と言う。
「今後はさらに地域企業との連携を強めていきたい」。それが齋藤の目下の目標だ。「そのために田中さん、昼田さんにも協力してもらって、連携の取り組みを進めています」
CSキャプテン(顧客満足度向上を図るためのチームキャプテン)を兼任する昼田は、お客さまに喜んでいただけるイベントの企画・実行を行う中、地域連携を意識している。たとえばハロウィン当日にお客さまにお配りしたお菓子は、横浜の企業のものを採用した。そんな昼田の目標はハードリピーターを増やしていくことだ。「高いスペックを誇るハード面はもちろん、ソフト面、サービス面でもさらなるレベルアップを実現し、リピーターを増やしていきたいと思っています」
一方、田中は開業に携わって得た知識を活かし、現場のスタッフに「当社には開業準備の仕事もあり、幅広い経験ができる」と伝えていきたいという。「いろんな経験ができる可能性を知ることで、それをやりがいにつなげていってほしいです」
神奈川県で愛される三井ガーデンホテルへ___。
その挑戦はこれからも続いていく。